さんにん暮らしプラス1

脳卒中で眠れる森に住む夫がっちゃんと残された家族の毎日。悲しんでても始まらない!三人暮らし楽しもう♪

今夜も息子メシ

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がっちゃんが入院してからずっと、長男タロが夕食当番を買って出てくれている。

今夜は鮭のホイル焼き。

大根とわかめのお味噌汁も作ってくれた。

 

「オレなんにも役に立てないから晩メシ作るよ」

毎日遠方の病院まで通い、手続きやら何やら細かい事務作業にバタバタしていたから、その言葉、本当に嬉しかったよ。

実は、変わり果てた父がっちゃんの姿を見るのが辛かったみたいだ。

 

「食いたいものしか作りたくない」

そう宣言して、連日洋風こってり肉攻めメニュー。

「たまにはヘルシーな和食が食べたいよ」

ワガママな母のリクエスト、覚えててくれたんだね。

 

次男ジロは。

頼りない母の付き添いとして、医師の説明や病院のサポートセンターにも、いつも一緒に来てくれた。

 

ひとりで聞くより、やっぱりふたり。

おっちょこちょいな母の記憶違いや勘違いを、ジロはキチンと指摘する。

 

がっちゃんは左側の被殻出血。

かなり大量広範囲の出血で、脳の損傷が酷くて重い後遺症が残るそうだ。

 

「先生はああ言ってるけどさ、あんな状態から助かったんだもん、何だか父さん、意識戻りそうな感じじゃない?」

とか

「目を開けた!こっち見た!何か言いたそうにモグモグしてた」

とか大騒ぎする母に

「あんまり期待しない方がいいよ」

「口動かしてたのは、痰が絡んでたからじゃないの」

「意識戻ったらそれはそれで可哀想だよ」

……なんて冷静な息子たち。。。

 

 

 

今はコロナとインフルで、病院は厳重な面会制限中。

ずーっとがっちゃんの顔も、見ていない。 

 

息子たちがいるから、アタシはきっと大丈夫。

楽しんでるよ、さんにん暮らし、気ままな毎日。

 

でもね、こんな夜は思うことがある。

 

今頃どうしているのかなぁ。

やっぱり夢は、見てるのかなぁって。

 

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