急性期病院へ
待ちに待った夏休みの始まりの日。
朝から雲がきれいな木曜日。
タロもジロも仕事で、アタシも突発的な使命のために早起きをした。
障害年金の申請のため、がっちゃんが倒れた時に運ばれた急性期病院へ。
転院した3月以来、かなり久しぶりだ。
あの頃は、インフルエンザが猛威を奮っていて、コロナウイルスが話題になり始めたばかり。
2月中は、まだ面会が出来た気がする。
今日も長く遠い道をひた走る。
こんなに遠かったんだなぁ、ここ。
あの頃は、毎日通い詰めていたっけ。
とにかく情報が欲しくて。
変わり続けるがっちゃんの容態が気が気じゃなくて、とにかくつなぎとめておきたくて。
目も開けず苦しそうな呼吸。
アタシには何も出来ないけれど、ただそばにいて、手を握って、さすって、その顔をずっと見つめていた。
あれから、もう半年か。
がっちゃんは生命力が強い。
そう信じてる。
病院の入口には、サーモカメラが置かれていて、もしここで入れなかったら?と思うとドキドキしてしまった。
そのくらい、外は暑くて、駐車場から正面入口まで歩くだけでも、かなり体温が上がっていたと思う。
係の人が箱マスクとともにスタンバイしている前を、どうやらパスしたらしく、何事もなく通過して中に入ることが出来た。
ホッ!
文書受付で申込用紙に記入して、診察券と一緒に昨日年金事務所からもらった用紙を提出。
診断書が出来て送られて来るのは1ヶ月くらい後。
会計機で先に料金を支払えば、おしまい!
なんて呆気ないんだろう。
病院も駐車場も混んではいたけど、診断書を申し込む人はそれほど多くないってことか。
あまりに早く終わってしまって、拍子抜け。
だって、駐車料金払うのに〜〜!
もしかして、切手代の方が安くない?
プンプン!
せっかくなのでホスピタルローソンで「飲むソフトクリーム」を買って、近所の百円ショップやスーパーで買い物をしてから帰宅。
見ているだけで癒される雑貨たち。
インコ柄、最近増えたよね。
真ん中の列の奥にあった、きつね柄を購入。写ってないけど(笑)
帰り道は昼近く、気温も高くて、エアコンをかけても車内が暑くて、とにかく早く家に帰りたいと思いながら車を走らせた。
途中、左レーンが混んで動かず、何だろうと思いながら通り過ぎたらマックのドライブスルー渋滞だった。
こんなのに捕まったら災難だなあと横目で見ながら通過した。
帰宅後は、オンライン里帰り。
都会に住むアタシの大切な家族と、LINEのビデオ通話を初体験。
今までテレビ電話的なものは苦手で手を出さなかったけど、それこそ手を出さずとも、手ぶらで会話が出来ると知って俄然やりたくなったのだ。
どこをどうしたらビデオ通話になるのかも分からなかったけど、どうにか成功!
懐かしい顔を見ながらのおしゃべりは、本当にすぐ目の前にいるみたいで話が弾んだ。
気がつけば1時間近く、他愛無いことで笑い合いながら話した。
がっちゃんが倒れてから、何をどう話せばいいのかまとまらず、まだ文章にした方が冷静でいられるかなと、ずっと文字だけのLINEだったけど。
やっぱり、声と顔があるってすごいなって思った。
存在感の有り難さと心地良さ。
本当は、すぐにでも会いたいけれど。
それはもう、今は我慢。
仕方ないことだし、大切なこと。
がっちゃんにも、毎週会ってはいるけれど、やっぱり横にいたいって思う。
アタシだって、分からなくてもいい。
ただただ、手を握っていたい。
生きている熱さを感じたい。
それだけが、今の願い。
ベランダのプランターに、がっちゃんの大好きな大葉が芽を出していた。
いつの間に、こんなところに。
命の力って、強い。