あんまりいい人でいないワケ
長かったなあ……
そうため息がもれる、金曜日。
毎日があっという間!
こういう言葉はよく聞くし、アタシも今までそうだった。
でも、ここ2週間くらいは、もう毎日が長くて長くて参っていた。
それはやっぱり、仕事がヒマだったからなのかな。
そんなに人生賭けるようなものじゃないけど、やることなく拘束される時間は長い。
人間、目的がなくなるとダメなのだなーなんて、分かったようなことを思いついたのは、やっと仕事サイクルが戻って来たからなのだと認めよう。
情けなくも、仕事で回る今の毎日。
昼休み、久しぶりの社員食堂。
お弁当組のアタシと、同じくお弁当仲間のひとりと話していた。
「昨日の病院、どうだった?」
彼女は何かと気にかけてくれて、アタシのいろんな愚痴を聞いてくれる。
ひと通りのことを話して、しみじみ二人で言い合った。
「人生って、運だよねぇ……」
いつまでも健康な人、不治の病を抱えながらも生きている人、同じ病で命を落とす人、事故や災害に遭う人……。
みんな、何かしたわけでも、ハッキリした理由があったわけじゃない。
本当に、運が良いか悪いか、それだけ。
タイミング、なんだよねーっ、て。
がっちゃんみたいに、突然思ってもみなかった運命がやって来ること。
誰にもそれは、無いとは言えない。
「だから、ガマンしすぎちゃダメだよ。頑張りすぎちゃダメなんだよ。定年したら〜なんて思ってないで、今やろう、好きなこと」
ウンウンうなずきながら、彼女は言った。
「好きなこと、したいよね! でも今、コレでしよ、コロナでしょ! まったく、どこへも行けないし、人に会うことも減ったよね」
ウンウン、と今度はアタシがうなずく。
「仕事に毎日来てるくらいだよね〜。仕事で一日が回ってる。それしかない感じ」
そうかー、だからアタシ、ここのところ気分は低空飛行だったんだ、と、話しながら気がついた。
そして彼女が言った。
「私ね、いい人過ぎると早く神様に連れて行かれそうな気がして、だから、いい人しないの!」
人に好かれようとか、誰かのために〜とか、あんまりいい人してちゃいけないと思うの、と力説していた。
いやいや、彼女は誰にでも親切で優しい人なのである。
その彼女の口から、そう言われるとアタシも気持ちがラクになる気がして来る。
そうなんだよー
人生は自分のためのものなんだよー
ヒトのことばかり気にしてられない。
誰かのために、じゃなくてさ、
自分がそうしたいから、するんだよー!
親切もワガママも、自分がしたい、自分の気持ちに従って、やりたいからやるんだよー
だから。
アタシはがっちゃんの実家や親戚のためにじゃなくて、相棒であるがっちゃんに、アタシがしたいことをやってくよー!
期待されるような、いい嫁とか、いい妻にはならない〜というより、なれっこない、ナイ!(笑)
なろうなんて、無理シナイ!
したいことは頑張るけど、気がすすまないことは遠慮しておくよーー!!
以上、やまびこのように、心の中で叫ぶアタシだった。
昼休みなのに、飲み会気分。
アルコールも旨い肴もないけれど。
社食で人生を語り合う、友がいた。