さんにん暮らしプラス1

脳卒中で眠れる森に住む夫がっちゃんと残された家族の毎日。悲しんでても始まらない!三人暮らし楽しもう♪

哀しき介護世代〜見えて来る人の心〜

長くて短い1週間。
水曜日、がっちゃんとのオンライン面会の日。


病院の駐車場が満車状態。
どうにか1台分のスペースを見つけて車をとめた。


「インフルエンザの予防接種が始まったから」と答えてくれたのは、同じ職場の人だ。


彼女は、この病院にお母さんが転院して来たばかり。
今日は初めてのオンライン面会だったそうで、待合室でバッタリ会った。
ちょうどアタシの直前だった。


「声出せるかな〜って心配だったけど、ちゃんと話も出来て、安心しました」


こっちまで嬉しくなる笑顔で話す。
いいよね、やっぱり、話せると。


がっちゃんも、少しでいいから反応してくれないかな〜なんて思ってしまう。
反面、あまり希望を持ってはいけないと、ブレーキをかける自分もいる。


そんな思いを知ってか知らずか、今日のがっちゃんは、ちゃんと目を開けて、口をもぐもぐさせていた。


何となく、こっちの方をちゃんと見ているような♪


今日は看護師さんの代わりに、いつもオンライン面会のセッティングをしてくれる真面目で不慣れなケースワーカーさんが、病室でがっちゃんに声を掛けてくれていた。


まるで通訳みたいに、アタシが話すことをがっちゃんに伝えてくれる。


それが、とっても暖かいのだ。


こちらの気持ちに、寄り添ってくれてるみたいに。


「今日は面会のすぐ前に、お風呂に行って来たところだったんです」


そういえば、お風呂の日の火曜日は祝日だった。
休みが当たると1日スライドして次の日になる。

そうか、お風呂上がりだったから起きていたんだ。
ナイスタイミング♪


「旦那さん、こっち見てましたね。何か言おうとして口も動かしているみたいでしたよね」


「そうですよね!やっぱり、そう見えました?」


一緒に同じように感じてくれたのかな♪と、優しい気持ちがとても嬉しかった。



そして夕方。
そろそろ帰り支度をと、自分のカップを洗っていると、自宅で末期がんのお母さんの世話をしている人がやって来た。


「どう?お母さん、安定してる?」
「それがね、ボケが出て来たみたいで、私がお金をくれないとか、お金がなくなったとかって文句を言うの」


一番近くにいる人のことを悪く言うものなんだよね、ってケースワーカーさんも言ってたそうで、
「もう、イヤになる!」と彼女はとても悲しそうだった。


「東京に妹がいるんだけど、母が私の悪口を言うのを信じ込んで、お姉ちゃん、どうしてお母さんにお金をあげないの?って責めるんだよね」


東京の妹さんは、全て彼女任せ。
それなのに、文句だけは言うのだそうだ。
妹さんの旦那さんまで一緒になって、彼女を責めるのだという。


何にも知らないくせに、何にもしないくせに、と苛立つ彼女の気持ちがとても切なかった。


つくづく、介護世代なんだなあと思う。
そしてそこにはお決まりの、心のすれ違いがあるのだ。


でも、一番悲しいのは、一番一生懸命お世話している人の気持ちが届かないこと。
ドラマのような現実が、本当に起きているのだ。


もしもがっちゃんが喋れたら、やっぱり文句言うのかな。
そうしたらアタシも、がっちゃんに対して怒りの感情が湧いて来るんだろうな。


何とも言えない切なさ。
でも、これが現実というものなのかな。


がっちゃん、今日は何て言いたかったのかな。。。


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